こちらは、以前に『Doctors File vol.13203』として特集されたものを掲載しております。

南欧風の外観からは歯科医院とは思えない「ハーモニー歯科」。通りかかった人が「ちょっと中に入ってみたい」と思うようなおしゃれな雰囲気である。中に入ると、外観よりさらにすてきな待合室と診察室がある。豊田哲也院長もまた、穏やかで優しい雰囲気を持つ先生だ。患者層を聞くと「家族全員が通院するケースがほとんど」とのこと。小さい子どもから高齢者までさまざまな患者に対応するため、治療は一人ひとりに合わせたオーダーメイド。その後の予防管理も、患者の生活背景に合わせて個々にアドバイスをするという。先生の方針は「痛みが少ない治療を、そして患者さんに笑顔で帰っていただける医院に」。その診療について詳しく聞いた。(取材日2017年7月26日)

痛みに配慮し、歯科医院が苦手な人も通いやすい医院へ

―南欧風の素敵な医院ですね。コンセプトを教えてください。

”歯医者さん”というと、少し怖いイメージを持つ人もいるかもしれません。そこで、まずは、気軽に通える「怖くない」歯科医院にしたいと思い、あまり”歯医者さん”らしくない南欧風のテイストにしました。また無垢材を使って温かみのある雰囲気を大切にしました。患者さんには、痛みを極力抑えた治療を受けていただき、心地良く通院していただきたいと考えています。そのために、患者さんの役に立つことを常に研究し、どんどん取り入れていく方針です。また、患者さんに接する私たち自身が内面から良くなるような勉強をしないと、きめ細かい配慮はできないと考えています。快適に治療を受けていただくために、できる限りのことを日々心がけています。そんな思いが通じたのか、歯科治療がどうしても苦手だという方も、通院してくださるようになり、うれしく感じています。

―なぜ、歯科医院が苦手な人も通える医院にしようと思われたのですか?

小さい頃、母が看護師をしていたため祖母に預けられることが多く、お菓子などを自由に口にできる環境で過ごしていた私は、当然ですが虫歯になり、治療をすることになりました。その時、初めて通った歯科医院が実は怖かったんです。昔は「泣くなら来るな」と言う歯科医院もあって。すっかり「歯医者さんは怖い所だ」と思い込んでいました。ところが、2番目に通った歯科医院は、最初のところとはまったく違って、とても優しかったのです。それが本当にうれしくて。子ども心に「こんなにも違うのか」と思いました。その経験がずっと心に残り、いつの間にか、「自分も歯医者さんになりたい」と思うようになりました。小学生の頃には、もう心は決まっていたような気がします。子どもの頃から思い描いた”理想の歯医者さん”を、今ここで、日々、めざしていると言えるかもしれません。

―痛みの少ない治療とは、麻酔をするだけではないのですか?

スタッフともども、患者さんが少しでもストレスなく過ごしていただけるように工夫をしています。麻酔をするときの注射の仕方や口を開けていただくときの器具の使い方など、患者さんが恐怖や痛みを感じないよう気を配っています。また、環境面でも、患者さんが不快に感じることは極力避けています。例えば「音」。患者さんは診察台に横たわっている状態ですから、医療器具を移動させる音なども不快に感じることがあります。音を響かせない工夫を考案し、スタッフ全員で実践しています。そして「匂い」。アロマや空気清浄器の他、光触媒のお花など、さまざまなものを取り入れています。そのほか外部から講師を招き、スタッフ全員で月2、3回は勉強会を開き、技術的な面だけでなく内面的にもスキルアップできるよう研鑽を積んでいます。こうした積み重ねの結果が、麻酔だけではない痛みの少なさにつながっていると思います。

患者さま一人ひとりに合わせた、オーダーメイドの治療

―診療の際は、どんなことを心がけていますか?

家族全員で通ってくださる場合が多いため、患者さんは小さい子どもからお年寄りまで、本当にさまざまです。一人ひとりに丁寧に対応することを大切にしています。例えば、同じ小学6年生の男の子でも、生活背景によって、虫歯のなりやすさや気を付けるポイントはまったく違います。皆さん長く通ってくださいますから、お子さんでしたら成長をよく見ないといけないですし、大人の方でも年齢や生活の変化なども考えて接しています。そうやって接していると、ほとんどオーダーメイドのような治療になりますね。

あとは、治療後は定期検診を忘れないように必ず声掛けをします。予防が大切なのはもちろんのこと、中には定期検診で口腔内にがんが見つかった方もいらっしゃいます。歯だけでなく口腔内全体をよく診るようにしていますし、検診の頻度も患者さんに合わせて異なります。痛みが取れたからと安心し過ぎず、こまめな検診をぜひ受けてほしいと思います。

―こちらで取り入れている光力学療法とはどのような療法ですか?

オールラウンドな治療を行う中でも、歯周病には特に力を入れており、光化学殺菌によるシステムを取り入れています。これは、世界中で話題のバイオテクノロジーによる治療で、わずか2ステップの療法で歯周ポケット内にある病原菌の細胞を破壊し健康な歯周組織を回復します。インプラント周囲炎にも適した治療法です。この治療法を導入するにあたって気を付けたことは、価格です。光力学療法は保険診療が適用できないため、自費治療の扱いとなってしまいます。なので、どんなに患者さんのお役に立つ治療であっても、手の届かないような高いものにならないこと、患者さんが負担なく治療を受けられることが大切だと考えています。

―ユニット脇にはさまざまなキャンペーンのポスターが貼ってありますが、どんな内容ですか?

患者さんの虫歯、歯周病の予防などに役立つこと、歯のお手入れが少しでも楽しくなるようなことを、いろいろと提供していきたいと考えています。ホワイトニングなどもご用意していますし、歯科医院に通院することが、少しでも苦にならずに、むしろ楽しくわくわくするような工夫をしています。実際に「定期検診に来るのが楽しみ」と言ってくださる患者さんも増えてきました。極力痛くない治療を行ってはいますが、予防ができれば、それに越したことはありません。歯のクリーニングや歯磨き指導だけではなく、個々に合わせてその方に適しているかつ効果も発揮できるようなメンテナンスを提案しています。一部自費診療扱いのものもありますので、ご希望の場合はスタッフにご相談ください。

スタッフのチームワークこそ、診療の要

―「ハーモニー歯科」という名前の由来を教えてください。

家内は教員免許を持っており、以前は音楽講師をしていた関係で音楽に関する医院名でと考えておりました。現在は、「地域歯科医療のために」と子育てをしながら資格を取得し、ともに診療にあたっています。医療というのは、私たちだけが頑張ってもどうにもならないのです。患者さんと協力して初めて成り立つのです。患者さんと歯科医師、歯科衛生士とのハーモニー、スタッフと院長のハーモニー。お口と全身とのハーモニー。これらすべてを含みハーモニー歯科。実はそのアイデアをくれたのが、九州で歯科医師をしている家内の兄でした。これからも初心を忘れず、日々精進していきたいと考えています。

―お休みの日は、どんなリフレッシュをされてますか?

学会やセミナー以外、休日のほとんどはサッカーですね。小学生の頃から今に至るまでずっとサッカーをやっています。現在は、小学生のサッカーチームのコーチもしています。子どもたちは日々の練習や試合も経験し、大きく成長しますね。みんな当院にも通って来ますが、サッカーでも歯磨きや治療でも、今すぐできないことがあってもいいと思っています。今できないことも、3ヵ月後にはできるということがあります。子どもたちと接することが楽しみですし、できるだけ体を動かしてリフレッシュしています。

―今後の展望についてお聞かせください。

今の良い状態を維持するためには、今と同じことをしていればいいのではなく、より患者さんのために役立つことを、新しく取り入れていく必要があると思います。そのためのセミナーや学会、スタッフの勉強会だと考えています。技術も設備も日々進化していますから、今日来院された患者さんが、1年後に再来院された時、以前にはなかった新しいものがある状態であり続けたいと思います。歯科医療の変化に合わせて当院も進化を続けながら、患者さんが最も良い選択ができるようスタッフ一同歩み続けていきたいです。

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